過去掲載記事

コロナで業績不振・・・解雇・雇い止めをする際の留意点

2020.07.08

新型コロナウイルスの影響で、業績不振に陥っている企業は非常に多くなっています。
それに伴い、従業員の解雇や雇い止めの多発が問題になっています。
ただし、正規の手続きを取らなければ、解雇や雇い止めは不当であると判断されてしまいます。
そこで、企業が解雇や雇い止めを行う際に、気を付けるべき点について解説していきます。

解雇や雇い止めの定義とは

そもそも、解雇や雇い止めとはどういった定義で行われるものであるのか理解しておく必要があります。
「解雇」は使用者の一方的な労働契約の終了を指しますが、自由に実行できるものではありません。
労働契約法により、【客観的に合理的な理由であり、社会通念上相当とみとめられる】場合でなければ不当解雇であると判断されてしまいます。
一方で、「雇い止め」は契約期間が満了することで労働契約が終了されることを指すため、違法性はないと言えます。
ただし、過去に雇い止めがほとんどないような職場や、契約更新を期待させる言動を行っていた場合には雇いと止めが無効とされる場合もあります。

業績不振で解雇することはできるのか?

コロナの影響だけに限らず、企業が業績不振に陥ってしまうことはあるものです、
出来る限り解雇は避けたいと考えていても、経営不振となれば人員削減のために解雇せざるを得なくなります。
こういった場合の解雇を整理解雇と言い、要件を満たしていれば解雇することは不当にはならないのです。
それでは、どういった条件を満たせば正当な解雇になるのでしょうか?

整理解雇に必要な要件とは

コロナで業績不振に陥って整理解雇をするのであれば、有効性のある解雇であるか厳格に判断されるため、注意が必要です。
「人員削減の必要性」「解雇回避の努力」「人選の合理性」「解雇手続きの妥当性」の4点に焦点が当てられます。
本当に人員削減しなければならないほど業績が悪化しているのか、解雇を回避するために削減できる他の部分はないのか、解雇する人選は合理的なのかといった部分を留意すべきと言えます。
解雇だけではなく雇い止めにおいても同様に、合理的である必要があります。

コロナウイルスにおける業績不振は拡大していますが、解雇や雇い止めにおいて、従業員には誠意を持った対応をすることが大切と言えます。
整理解雇するにあたっての説明会や再就職先の紹介などを行い、従業員の不満や不安を少しでも軽減できるようにすることも必要です。
しかし、整理解雇においては問題点も多く、争うことになる場合も少なくありません。
そういった場合には、専門家である弁護士に相談しましょう。