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採用内定が取り消しに 新型コロナが理由だが泣き寝入りしてはならない

2020.07.13

新型コロナウイルスの感染拡大によって業績不振に陥る企業も多く、新卒や中途採用を行わないような企業もあります。
そのため、就活は非常に困難な状況と言えるでしょう。
そして、せっかく採用内定が決まっていたものの、業績不振から内定取り消しになってしまったというようなケースもあるようです。
この場合、内定取り消しになっても素直に受け入れるべきなのでしょうか?

企業は内定取り消しできるのか?

内定通知が企業から出されている場合、企業と採用者の間で労働契約が成立していることになります。
つまり、内定通知を受け取った時点で、その企業の従業員として扱われるのです。
そのため、企業が一方的に内定を取り消すことは原則的には認められません。
これは労働契約法第16条にも規定されており、客観的に合理的な理由だと社会通念上認められなければ、権利を濫用したものと判断されます。

内定を取り消すことができるケースとは

内定を取り消すことは原則的に認められませんが、場合によっては取り消しが認められるような場合があります。
それは、内定者側に問題があったような場合です。
学校が卒業できなくなったり、罪を犯してしまったりといったようなことが挙げられます。
また、企業側に整理解雇が必要な状況になった場合にも内定取り消しが行われることがあります。

新型コロナが原因で内定取り消しは認められない

新型コロナの影響で業績不振だからといって内定取り消しすることは、そう簡単には認められるものではありません。
内定取り消しを行うには、整理解雇と同様に「人員削減の必要性」「解雇回避の努力の有無」「解雇手続きの妥当性」などを厳選に考慮した上で判断されます。
そのため、安易に業績が落ちたからといった理由だけで内定取り消しが行われることは認められないのです。

新型コロナの影響で就活は厳しい状況となり、解雇や雇い止めなども発生しています。
業績が悪化したことだけが理由では内定取り消しは認められないため、泣き寝入りしてはいけません。
内定取り消しだけではなく、解雇や雇い止めについても同様です。
もし内定取り消しや解雇などについて不安や疑問点がある場合には、弁護士に相談してみましょう。