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アイドマMC、新規事業担当者を解雇? 新規事業を解雇の関係

2020.07.31

新規事業担当者を解雇をすることが会社経営としてどういったインパクトがあるか解説します。

新規事業は難しい
私も数社の会社役員を経験してきていますので、新規事業は本当に難しいと肌で実感をしています。そして、その中でも担当をするスタッフの評価制度が本当に難しい。

新規事業は当然上手く行けば、担当者も分かりやすく評価をされますし、他のスタッフからもその評価を「正当」と感じてくれます。しかし、上手く行かなかったケースはどうなるでしょう?

そんなことを考えさせれられる動画がありました。
注目事業の担当者はいまどうなったのか?
他のライターさんがアイドママーケティングコミュニケーション(アイドマMC)に関して記事を書いておられたので気になって調べていました。
アイドマMCは上場企業であり、東証にもIPO時の蛯谷貴社長へのインタビュー動画がありました。
アイドママーケティングコミュニケーション[9466]マザーズ IPO
www.youtube.com
こちらの動画にでも「ごちそうカレンダー」というサービスが紹介され、今後のストレッチを期待させています。
検索をしてみたところ、該当するサービスは見当たらなく、サービスは終了してしまったのか、と思っておりましたら、アイドマMCの不当解雇事件と言われる判例に出てきていました。
3500万円賠償判決 - アイドマ マーケティング コミュニケーション不当解雇事件 - 解雇問題.biz

2019年に判決が出た、アイドママーケティングコミュニケーションが解雇をした従業員より不当解雇であると訴訟をされ、その訴えが認められ会社側に3500万円の賠償請求が下り、従業員は年収1200万円で職場復帰となり、経済的保証は合計4700万円となった。最終的には1億円の損害になっている可能性もある。
アイドママーケティングは原告である従業員S氏の新規事業開発及び既存事業の営業に関するアイドママーケティング社長である蛯谷貴氏に提出した新規事業計画に業務遂行状況についてS氏が事業計画とおりの成果を出さなかった等として社員の能力不足を指摘
via 3500万円賠償判決 - アイドマ マーケティング コミュニケーション不当解雇事件 - 解雇問題.biz
ふむふむ、これはよくある話で、担当者は解雇されてしまったようですね。
問題は次です。
具体的な内容を伴った合意がされていることを認める証拠がないことからすれば、S氏が一定の期間までに一定の成果を挙げる等の具体的な義務を負っていたとは認められないし、強い否定的な評価や抜本的な改善指示もなかったと
3500万円賠償判決 - アイドマ マーケティング コミュニケーション不当解雇事件 - 解雇問題.biz
なんと!!

具体的な指示や目標設定がなかったようです。
こちらは解雇側(元従業員)の主張ではありますが、結果的にこの主張は裁判所に認められています。

実際のところは分かりませんが、新規事業を任せた際に雇用主と担当側でイメージのギャップがあった場合このようなことがよく起こります。
新規事業を任せる上での評価設定
例えば、経営者は新規事業で10億円売上を1年で出したいと思っているが、担当者は1億円を出せれば初年度は大成功と考えいた場合、仮に2億円を出したとしても経営者は不満を感じるはずです。
担当者は大成功と思って、ボーナスも期待していたかもしれませんが、まさかの叱責!

当然こうならないように、P/Lなどをしっかりと組み、KPI設定なども行うのが普通です。
しかし、これがないまま行い、また指導をしていなかったのが事実であれば、雇用側の責任ではないでしょうか。

また、そう思わせてしまっているということは、他のスタッフも、
「○○さんは新規事業やらさせれて、うまく行かないからって解雇されてみたいだよ」と社内で噂になったらどうなるでしょう。

当然新規事業を担当したがる人はいなくなってしまい、会社として新しいトライができなくなり、やがて衰退することになります。

繰り返しになりますが、アイドマMCが実際どうだったのか、私が論ずるところではありませんが、そう思わせてしまったことは会社としては失策ではないでしょか。

従業員と明確な目標設定、それを達成するための会社としてのフォロー。
そして何より、結果如何に問わずトライしたことへの評価などを明示することが重要であると思います。

株式会社アイドママーケティングコミュニケーションの「社員による会社評価」 就職・転職クチコミ(引用:OpenWork)