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業務中にコロナ感染したら補償されるのか?

2020.08.13

新型コロナウイルスの感染が拡大している中、リモートワークに切り替わっている企業も増えてきています。
しかし、リモートでは対応できないような業務では、コロナ感染のリスクがある中でも仕事をしなければなりません。
もし、業務中にコロナに感染した場合には労災で補償されるのでしょうか?

労災保険とは

労災保険は、労働者が安心して働けるようにするために定められている保険制度です。
仕事中や通勤途中でケガを負ったり、病気にかかったりした場合に補償を受けることができます。
補償される内容は治療費や休業補償などとなり、正社員だけではなくアルバイトやパートも対象者になります。
健康保険よりも手厚い補償があることから、仕事中や通勤途中でケガや病気になった場合には労災保険を利用すべきでしょう。

新型コロナにおける労災保険の考え方

業務中や通勤途中にケガや病気になれば、労災保険が利用できます。
しかし、新型コロナウイルスに関しては労災保険が認められるかどうかは難しい問題です。
世界中で感染拡大しており、100%業務中もしくは通勤途中で感染したと言い切ることは出来ません。
そのため、厚生労働省は新型コロナにおいての労災保険に関して「感染リスクが高い医療従事者の場合は業務外での感染が明らかな時を除いて原則的に労災として認める」としている他、「不特定多数と接する仕事の場合には柔軟に認定する」という方針を示しています。

新型コロナで労災が認められた事例

医療従事者以外の労働者の場合で、感染経路が業務中であることが特定された飲食店店員や建設作業員は労災保険の対象として認められた事例があります。
感染経路が特定されているので、労災として認められることは当然でしょう。
一方で、感染経路が不明の場合でも不特定多数の人と接する仕事や、複数の感染者が確認された労働環境下で業務していた機会があったような場合には労災保険として認められた事例があります。
小売店販売員が労災に認められた事例では、感染経路は特定されなかったものの店頭での接客業で感染リスクが高いと考えられたことから労災認定されています。

新型コロナの感染が労災として認められて補償を受けられるかどうかは、条件にもよると言えます。
感染経路が確実に職場であると特定されれば労災認定されますが、感染経路が不明であれば認定されるかどうかは仕事の状況次第と言えるでしょう。
補償が受けられるかどうか不安だという場合には、弁護士に相談してみましょう。