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半沢直樹でも登場をした労働組合ってそもそも何?

2020.08.31

人気ドラマの「半沢直樹」において、帝国航空の人員整理の際に「協定で労働組合員は解雇できない」というセリフがありました。
なぜ解雇できない協定を結ぶのか疑問に思った人も多いはずです。
また、【労働組合】という言葉を耳にすることはあっても、実際に労働組合というものがどういったものか具体的に知らない人も少なくありません。
そこで、労働組合とはどういったものなのか、そしてなぜ解雇できない協定を結ぶのか解説していきます。

労働組合とはどんなものなのか?

労働組合は、労働者が主体となって結成される組織です。
労働条件や労働環境がより良い状態に維持・改善されることが目的として作られています。
労働基準法にも労働者を守るためのルールが定められていますが、あくまでも最低限のルールに過ぎません。
そこで、労働組合が働きやすい条件や環境にするためには経営陣と話し合いを行う必要があります。
しかし、経営陣と対等な立場で話し合うことは難しいため、団体交渉として労働組合が働きかけるのです。

労働組合と企業が結ぶ労働協約について

会社側が掲げる就業規則がありますが、それとは別に労働組合が企業と結ぶ協定があります。
組合員の労働条件などを団体交渉し、企業と合意が成立すれば「労働協約」として書面が締結されます。
この労働協定では、労働条件に関わる項目や人事に関する項目などがあります。
組合員を解雇するのであれば事前協議を義務付けるなどの条件で協約を結べば、企業側は組合員を簡単に解雇することは出来ません。
企業側にとって不利益な内容もある労働協約ですが、企業は団体交渉の申し入れに応じる義務があり、話し合いを経て協約を締結させます。

もし労働協約を破ったらどうなるか?

もし労働協約に違反するような場合や、事前協議を行わずに企業側が雇用や賃金に関する決定を行った場合には「不当労働行為」や「不当解雇」と判断されることになります
労働契約や就業規則よりも労働協約は優先順位が高くなっています。
そして、労働協約は書面で作成された上で企業と労働組合が記名や押印をしている場合には法的な効力があると労働組合法にも規定されています。
そのため、労働協約による内容は守られているのです。

労働組合によって労働者は守られていますが、それでも不当な解雇が起こるようなケースはあります。
そういった場合には労働協約の見直しを行うとともに、労働組合や弁護士に相談してみましょう。