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コロナ禍で急増をするECを支える過酷労働環境の実態

2020.09.03

新型コロナ感染拡大を受け、外出自粛やリモートワークが推進されています。
そのため、自宅にいる機会が増えたことでECの利用率が急激に高まっています。
通販サイトや出前などで買い物、食事を注文することができる便利が時代ですが、その裏では流通の現場では過酷な労働が強いられることになっているのです。
そこで、EC利用の増加の裏側で動く流通の労働現場の実態について解説していきます。

コロナ渦で流通現場が過酷な状況に?!

コロナ渦において、これまでとは生活様式が変わり、外出自粛など自宅にいる機会が増加している現状です。
そして、自宅にいながらもこれまでのように生活できるのは、ECで買い物が出来るからと言えます。
しかし、買い物をする人や買い物する量が増えることにより、商品を運ぶ流通現場は過酷になっています。
もともと人手不足とされる流通現場ですが、運ぶ荷物量が増えたことで長時間労働・長距離運搬が強いられる状況になっているのです。

流通現場の実態とは?

流通の現場は、新型コロナの感染拡大前から過酷な労働環境ではありました。
労働時間は全産業平均よりも数時間長いものの、賃金は平均より2割ほど安くなっています。
厚生労働省による改善基準告示で4時間以上の運転で30分以上の休憩を取ることが義務付けられていますが、多くのドライバーは休憩できていないという実態もあります。
朝荷物を届けるために夜中に車を走らせるドライバーが多いことからサービスエリアやパーキングエリアは混雑していることから利用できないことも多いのです。
しかも、時間に遅れてはいけないという考えから長時間運転を続ける人も少なくありません。

今後の流通現場はどうなっていくのか

過酷な流通現場ということもあり、ドライバーは確実に人員が減少しています。
ドライバーが退職したから新しい人材を入れることも難しい現状でありながらも、流通の需要は増え続けているためバランスが逆転している状態です。
コロナ禍で職を失う人が増えていますが、厳しい現場なので3日間ともたない新入社員も多いようです。
そのため、労働環境が改善されなければ、ECを利用したとしても荷物が届かない事態も近い将来で起こると考えられます。

過酷な労働環境の中で頑張っている流通現場のおかげで、私たちはコロナ禍でも日常の生活を送ることができていると言えます。
そのため、私たちは感謝と敬意を持って接することが必要です。
そして、今後流通が停滞して荷物を運べないという事態が起こらないためにも、社会全体で流通に正当な評価を与えるべきだと言えるでしょう。