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公務員は安泰と誰が言った?! 自衛隊の厳しい労働環境

2020.09.04

「公務員=安泰」というイメージが世間一般的にはあり、公務員である自衛隊も同様のイメージを持つ人が多いでしょう。
しかし、私たちの知らない裏側で、自衛隊員達は非常に過酷な労働環境を強いられています。
その原因の1つが、私たち一般人からのクレームを避けるためです。
もはやブラック企業以上の労働環境であると言われる自衛隊の労働環境について紹介していきます。

自衛隊員の過酷な労働環境の実態

災害が起こると派遣される自衛隊ですが、実際に私たちが目にすることはニュースなどにおいて救助活動を行っている姿です。
救助活動も過酷ではありますが、それ以外の見えない部分で自衛隊は厳しい労働環境を強いられています。
遠い場所でも自衛隊は新幹線などを使うことなく自衛隊車両で向かい、人命救助の道具を優先して積んでいます。
そのため、自分たちが泊まり込みになっても使用できるような寝袋などはなく、寒い冬場でも隊員が寄り添いあって睡眠を取らなければなりません。

自衛隊の労働環境の原因は一般市民のクレームを避けるため?

自衛隊の労働環境が劣悪になってしまっている原因の1つは、私たち一般市民からのクレームを避けるためだと考えられます。
自衛隊は制服公務になるため、どこで何をしていても国民に見られます。
そのため、制服のまま飲食して休憩を取る姿や、仮眠を取る姿などを写真で撮られてクレームになってしまうリスクがあります。
行動すべてがクレームに繋がらないようにしなければならないため、より厳しい労働環境になってしまっているのです。

いくら厳しくても労働争議は認められない

民間企業であれば、労働基準法によって8時間を超える労働では1時間の休憩を取るように義務付けられています。
しかし、公務員には労働基準法は適用されないため、自衛隊は休憩を取らずに働くことになります。
しかも、給料から衣食住の経費は天引きされており、残業代や休日手当などもありません。
労働争議になりそうな労働環境や賃金ですが、労働基準法の対象ではないことや、組合も結成されないことから民間企業とは異なって労働争議は認められないのです。

自衛隊がいるからこそ私たちは災害が起こっても救助を受けることができます。
そして、国防と国民のために自衛隊員は厳しい労働環境の中でも働いているのです。
こうした実態を私たちが理解して対応すれば、自衛隊の労働環境の改善に繋がるのではないでしょうか。