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製造業の解雇や雇止めが増加 いま注意することは?

2020.09.07

新型コロナ感染拡大により多くの業界が打撃を受け、解雇や雇止めが多発しています。
7月末の時点で全国4万人の人が解雇・雇止めにあっているのです。
そして、最も多くの解雇・雇止めが出ている業界が製造業です。
製造業では解雇・雇い止めが増加し続けている状況となり、7月末では7000人を超えました。
そこで、解雇が増加している中で、不当解雇にならないように注意したい点を紹介していきます。

コロナ解雇の現状と不当解雇について

新型コロナの感染拡大による影響が長引いている中、「コロナ解雇」と呼ばれる会社の経営が傾いたことを理由に解雇するようなケースが増加しています。
また、コロナが原因とは言わないものの経営悪化で解雇する場合もあれば、もともと経営悪化していた会社がコロナに便乗して解雇するような場合もあります。
こうした解雇の多くは正当なものではなく、不当解雇であることが多いのです。
不当解雇を行えば企業側は訴えられるだけではなく、企業イメージを下げてしまうことになります。
一方で、従業員側は不当解雇であれば、法律において解雇無効を要請することができます。

解雇における4つのポイント

会社が従業員を解雇することは、決して簡単にできることではありません。
正当な解雇を行うには、「解雇をする必要性」「解雇回避の努力」「解雇における人選」「解雇における適正な手続き」の4つの要件を満たす必要があります。
つまり、コロナで経営が悪化したことだけを理由に解雇することは不当解雇になります。
そのため、コロナが影響して業績が悪化して解雇を行うのであれば、企業側は4つの要件をクリアした上で解雇を行わなければなりません。
また、解雇にあった従業員は、4つの要件を企業側が満たした上で解雇したのか確認する必要があります。

コロナ解雇の際に注意したい点

現在、政府より雇用調整助成金など解雇や雇止めを防ぐための制度が拡充されています。
こうした制度をきちんと利用していたのかという点もコロナ解雇においては大きな争点になるでしょう。
また、経営陣の給料カットなど解雇を回避するために努力があったのか、解雇する人選は適切なのかといった点も注目されます。
希望退職者の募集など必要な手続きもコロナ解雇では省かれていることが多いので、注意すべき点と言えるでしょう。

製造業だけにとどまらず、多くの業界で雇止めや解雇が増加していますが、本当にその解雇は不当ではないのか見直すことが必要です。
企業側は解雇における要件を満たしていることを確認してから解雇を行うべきであり、従業員は解雇された際には正当な解雇であるのか疑うことが大切です。
解雇・雇い止めに関しての疑問や不安がある場合には、弁護士やユニオンへ相談しましょう。