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元ブラック企業ワタミは結局変わらなかったのか

2020.10.01

以前はブラック企業の代表となっていたワタミですが、その後ホワイト企業大賞を受賞するほど労働条件が改善されたことがアピールされていました。
しかし、去年の10月に創業者の渡邊美樹氏がCEOに返り咲いてからブラック企業化が露呈しています。
結局ワタミは変わることができなかったのか、どういった問題点があるのか解説していきます。

ブラック企業からホワイト企業へ変貌したワタミ

ワタミと言えば大手居酒屋チェーン店として日本のトップ企業でしたが、2008年に起こった新入社員の過労自死が明るみになってからブラック企業としての印象が強くなりました。
しかし、2020年1月にはホワイト企業大賞において特別賞を受賞しています。
そして、労働環境の改善のための改革を行っていることをアピールしたのです。
店舗数の削減や従業員のメンタルサポートなどを行い、働きやすい環境を整備していると強調することでホワイト企業化したという印象を世間に与えたと言えます。

ワタミはブラック企業に逆戻りしている?!

ホワイト企業として生まれ変わったことを主張していたものの、最近ではワタミの宅食事業である「ワタミの宅食」によってブラック企業に逆戻りしているのではないかという疑惑があります。
ワタミの宅食では日替わり弁当や総菜を配達員が自宅に届けるサービスを行っていますが、その配達員は個人事業主です。
そのため、労働基準法の最低賃金は適用されず、1軒宅配するごとに122円+地域手数料によって200円に満たないほどの報酬になります。
そして、その配達員をまとめる役割を持つ所長が存在し、所長は配達員のフォローや雑務、クレーム対応などもあり朝から深夜まで働いていると言います。
しかし残業代は固定されており、未払いが残る状態などブラック企業そのものと言える労働環境が露呈しています。

ブラック企業化は経営者次第なのか?

ワタミと言えば創業者の渡邊美樹氏が築いた企業ですが、2009年には社長の座を桑原豊氏に譲り、会長兼CEOになりました。
そして、東京都知事選の出馬のために一時は代表権を返上して取締役になったものの2013年には取締役も辞しています。
しかし、議員生活を終えて2019年にワタミへと復帰したところでブラック企業化が再び露呈するようになりました。
このことから、企業は代表者の考え方によって働き方も変わるため、経営者次第でブラック企業になってしまうと言えます。

現在ワタミのブラック企業化の問題は、ワタミだけに限らずどんな企業でもあり得る話です。
経営者の考え方に従業員は反対の意を唱えることが出来ず、劣悪な環境で仕事をしている人も少なくありません。
ブラック企業の被害にあっているという場合には、労働組合や弁護士など専門家に相談してみましょう。