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三菱電機社員自殺は労災として認定された

2020.10.26

三菱電機は日本を代表する大手企業でありながら、過労死や長時間労働などが問題視される「ブラック企業大賞」を2年連続受賞しています。
8年間の間に自殺者5人を出している企業であり、過労が原因で労災が認められたケースもあります。
長時間労働が自殺の原因として認められたケースの概要や、三菱電機における労働問題の背景について詳しく見ていきましょう。

異常な長時間労働が過労や自殺へ

三菱電機では2012年以降、長時間労働における労災認定者が6名おり、自殺者を5名出しています。
過労自殺が表沙汰になったのは2014年に労災認定された男性のケースで、月100時間を超える残業を続けていたと言います。
それ以外の労災認定されたケースも月100時間以上の残業など常識を逸脱したような労働時間が原因となっており、三菱電機では長時間労働が当たり前のように蔓延していることがうかがえます。

自殺や長時間労働の背景にはパワハラも隠れている

三菱電機では長時間労働による自殺や過労によって労災認定されているケースが多発していますが、この背景にはパワハラが隠れています。
なぜ長時間労働しなくてはいけないような状態になったのか突き詰めた結果、長時間拘束するという指導が行われていたのです。
暴言も含め、度を越した指導が蔓延した職場になっていたのです。
残業時間を減らすように指導が入ったこともあったようですが、長時間労働をせざるを得ないような環境であり、長時間の申告をせずにサービス残業を続けたという社員もいます。

三菱電機が抱える労働問題

長時間労働による自殺やメンタルヘルスを害したことによる休業などが重なり、三菱電機では勤務時間の管理は徹底されるようになりました。
しかし、勤務時間が管理されてもパワハラが払拭されなければ決して労働環境が改善されたとは言えません。
パワハラのある職場では社員が上司に仕事のミスや失敗を相談できることもなく、言いたいことも言えない環境です。
そうなれば仕事の効率も悪くなり、どんなに有為な人材でも本領を発揮することが出来ません。
三菱電機では今後、労働環境が引き起こす悪循環をどのように経営者が断ち切っていくのかという点が課題であると言えるでしょう。

三菱電機のように長時間労働やパワハラなどの労働問題に悩まされている人は大勢います。
自殺という極端な選択をするまでに追い込まれてしまう前に、まずは弁護士や労働監督署にご相談ください。
労働問題は一人で解決することが難しいケースも多いので、専門家のアドバイスやサポートが必要です。