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ワタミは違法残業、記録改竄との報道も・・・元国会議員の社長は何か考えているのか?

2020.11.16

ワタミと言えば、新入社員の過労自殺や長時間労働、法令違反など多くの労働問題によってブラック企業の代名詞となっていました。
そうしたイメージを払拭すべくホワイト化宣言をしたものの、ワタミ創業者である渡辺社長が国会議員を経て経営陣に戻ったことにより、再び労働環境の劣悪さが多く報道されています。
そこで、現在のワタミの労働環境の実態とワタミ社長はどんな考えを持っているのか見ていきましょう。

ワタミの労働環境の実態

ブラック企業のイメージから一新すべくホワイト化を謳っていたワタミですが、最近になってワタミのグループ会社である「ワタミの宅食」より労働問題に関する告発がありました。
ワタミの宅食の営業所の所長によって明らかになった労働環境の実態は、月175時間を超える残業や、この残業をエリアマネージャーが出勤記録を改ざんすることでもみ消していたということです。
そして、労働基準監督署より残業代未払いの是正勧告を受けるなど驚くべき劣悪な労働環境であることが明るみに出ました。

なぜ社員は劣悪な労働環境でも働き続けるのか?

ワタミの宅食の劣悪な労働環境が告発されたものの、なぜ社員は働き続けているのか疑問に思う人も多いでしょう。
ワタミでは思想教育が行われており、渡辺社長の考えが400ページにも及んで記載された「理念集」を入社直後から会社に渡されます。
この理念集には「仕事をお金を得るための手段なんかにしてはいけない」「365日24時間、死ぬまで働け」といった社長の言葉が綴られています。
そして、社員は理念集を理解するように教育され、どんどん洗脳のように意識が教育されてしまうことで労働環境に疑問を持たなくなってしまうのです。

下の景色が見えていない社長

渡辺社長といえばビジョナリーな夢を持ち、国会議員まで務めた経歴があります。
一度はワタミを離れたものの再び経営陣に舞い戻り、その結果ワタミのブラック企業は変わっていないことが証明されてしまいました。
このことから、社長自身が下の景色を見えていないのではないかという疑問の声が上がっています。
実際に社長が社員と接することが無いからこそ現場が見えず、今回のような問題が起こったと考えられます。

ワタミの労働問題について紹介してきましたが、労働問題を抱える企業はワタミだけではありません。
しかし、直接上司や社長に労働問題について従業員が異議を唱えることは難しいものです。
労働環境に少しでも疑問がある場合には、専門家である労働組合や弁護士に相談してみてください。