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「諭旨解雇」「懲戒解雇」 これってなにが違うの?

2020.11.18

解雇には「普通解雇」や「整理解雇」といった種類がありますが、ニュースなどで「懲戒解雇」や「諭旨解雇(ゆしかいこ)」といった言葉を耳にしたことはありませんか?
懲戒解雇は何となく意味が分かるという方も多いかもしれませんが、論旨解雇は意味を知らない方も多いでしょう。
そこで、懲戒解雇と諭旨解雇の言葉の意味や、これらの解雇の違いについて詳しくご紹介していきます。

懲戒解雇と諭旨解雇は懲戒処分の種類です

従業員が会社の秩序を乱すようなことを行った場合や、規則を破ってしまったような場合には罰則として会社側から従業員に対して懲戒処分が科せられます。
懲戒処分は法律で定められたものではなく、会社毎に規定などがあります。
そして、懲戒処分にはさまざまな種類がありますが、その処分の種類の中に「懲戒解雇」と「諭旨解雇」があります。
懲戒処分には戒告と呼ばれる口頭での注意などの軽度の処分もありますが、諭旨解雇と懲戒解雇は処分の中でも最も重いものです。

諭旨解雇と懲戒解雇の言葉の意味

諭旨解雇と懲戒解雇はどちらも懲戒処分の中では重い罰則にあたる「解雇処分」になってしまいます。
しかし、懲戒解雇に比べると諭旨解雇の方が処分は軽いと言えます。
諭旨解雇とは文字の通り、処分対象者を諭して解雇を納得してもらうという処分です。
つまり、従業員と会社側が話し合いの上で解雇が行われることになります。
一方で、懲戒解雇は最も重い処分になるため、解雇処分が強制的に執行されます。

諭旨解雇と懲戒解雇の扱いの違い

懲戒解雇は従業員の責によって強制解雇が行われるため、解雇通知を受ければ即日解雇になります。
そして、基本的に退職金や解雇予告手当などの支給はなく、離職事由にも懲戒解雇である旨が記載されます。
一方で、諭旨解雇の場合は過去の功績などや会社への貢献度を理由に処分が緩やかになるため、退職金は一部もしくは全額支給されます。
離職事由も自己都合退職や会社都合退職になるため、失業保険を受け取ることもできます。

懲戒処分の中でも同じ解雇処分ですが、諭旨解雇と懲戒解雇では全く異なる意味や扱いになります。
もし会社より懲戒解雇を受けた場合、本当に懲戒解雇が妥当であるのか検討してみる必要があるでしょう。
もし解雇に疑問がある場合には、専門家である弁護士に相談してみてください。