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知的障害者解雇が80%増加・・・声なき声をいま知るべき

2020.11.27

新型コロナの影響により、多くの企業が業績悪化という打撃を受けています。
それに伴い雇止めや解雇者の急増が問題となっていますが、解雇者の中でも障害者の解雇が深刻化しています。
声を上げることのできない障害者を解雇していく企業の問題性や、今後の障害者の雇用に関する課題について解説していきます。

新型コロナによる障害者解雇の実状とは

新型コロナの感染拡大で雇用に影響が広がる中で、2020年9月までの半年間の間に解雇された障害者は1200人に上ると言われています。
去年の同じ時期と比較すると40%も増加していることになるのです。
しかも、このうち知的障碍者は400人以上となり、去年よりも80%増加していると厚生労働省の調べて明らかになっています。
この数字を見ると、明らかに障害者解雇が深刻化していることが分かります。

なぜ知的障害者が解雇されるのか

障害者の中でも知的障碍者の解雇が急増していますが、知的障碍者が解雇される理由はどういった部分にあるのでしょうか?
コロナによって在宅勤務が増え、障碍者にできる仕事がないという企業の勝手な判断も少なくありません。
在宅勤務になるとパソコン作業が中心になることや、管理者が監督できない部分があることなどが理由に含まれていると考えられます。
しかし、それ以上に大きな理由は、知的障害者の場合は解雇に対して文句を言う手段が限られているからと言えます。

障害者解雇における今後の課題

障害者には文句を言う手段が限られているという弱い立場を利用したり、仕事ができないと決めつけたりすることで障害者は解雇しやすいと考える企業は社会機能として問題があると言えます。
在宅勤務が増えるのであれば、障害者にできる新しい仕事を見つけるなど工夫することや国の支援なども利用するなどして使用者側が環境整備を行う必要があります。
こうした使用者側の努力があってこそ会社自体の労働環境が整い、従業員も士気があがることで業績にも繋がってくるはずです。

障害者の解雇は今後も増加することが予想されますが、解雇自体が不当解雇である可能性もあります。
もちろん障害者だけではなく、業績悪化によって誰にでも解雇は起こり得る問題だと考えられるでしょう。
一人では解雇に対して反論が難しいという場合には、労働組合や弁護士に相談してみましょう。
解雇の正当性や雇用環境、雇用条件に関する問題点の解決に繋がるはずです。