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過労死の主な原因は長時間労働・・・労働時間が長い県、短い県はどこ?

2020.12.06

長時間労働は一昔前であれば美徳とされ、仕事への意欲のパラメーターとされていました。
しかし、過労死が増加して注目されていくことが増え、現在では長時間労働をさせないために「働き方改革」が2019年4月より施行されています。
しかし、今も長時間労働を続けている企業も少なくはありません。
そこで、都道府県別で労働時間の長い県と短い県を比較し、労働時間と所得の関係性についても紹介していきます。

長時間労働が過労死の原因に

長時間労働は現在問題視されている労働問題の1つです。
過労死を引き起こす主な原因は長時間労働であると言われており、仕事の過重な負荷が脳血管疾患や心臓疾患を引き起こすとされています。
また、死亡に至らない場合でも脳血管疾患や心臓疾患、精神障害を引き起こす可能性もあります。
そして、長時間労働の多くは違法であることが多く、賃金すら発生していないことも少なくありません。
こうした長時間労働の違法問題や過労死を解決すべく働き方改革が施行されているものの、今もなおブラック企業は存在しています。

都道府県別で見た労働時間の違い

厚生労働省が「毎月勤労統計調査地方調査」を行い、都道府県別の労働時間の調査を発表しています。
1ヵ月の全国平均の労働時間は139,1時間です。
そして、最も労働時間の短い県は奈良県で127.6時間となっており、反対に労働時間の長い県は岩手県の151.0時間です。
また、所定外労働時間の全国平均は10.6時間ですが、こちらも奈良県が最も短い7.2時間となり、最も長い県は愛知県で13.1時間でした。
一方で東京の総労働時間は8位でしたが所定外労働時間は39位となり、残業が多いことが分かります。

労働時間と所得の関係性について

労働時間と所得は関係しているのではないかと考えられがちですが、各都道府県別の年収状況を比較してみましょう。
2019年に厚生労働省より発表された「賃金構造基本統計調査」によると、平均年収の1位は東京で620万3700円です。
労働時間も所定外労働時間も最も短い奈良県は12位で479万2200円となり、労働時間の長かった岩手県は41位の391万3300円です。
この結果から見ても、労働時間と所得は必ずしも比例していないことが分かります。

働き方が徐々に変わってきてはいるものの、今もなお長時間労働は中小企業や個人経営の会社などで行われています。
労働時間や残業代について疑問がある場合や、労働環境に問題がある場合には一人で悩まずに弁護士や労働組合に相談しましょう。
一人では解決が難しい問題も、専門知識を持って解決に向けてサポートすることが可能です。