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ブラック企業大賞の三菱電機が導入する360度評価とは

2020.12.08

三菱電機と言えば社員の過労を原因とする自殺などが相次ぎ、ブラック企業大賞を受賞する代表的な日本のブラック企業になっています。
しかし、その三菱電機はブラック企業の耐性を改めることを宣言し、2021年4月から360度評価を導入することを発表しています。
360度評価とはどういった評価であり、どんなメリットやデメリットがあるのか紹介していきます。

三菱電機が360度評価の導入を宣言

三菱電機は2014年から2019年の間に社員が過労を原因とした自殺などで労災認定を6人も受けていることや、新入社員が教育主任からのパワハラを受けたことによる自殺の発生など労務問題が相次いでいます。
こうした長時間労働やハラスメントによってブラック企業大賞まで受賞しました。
しかし、2020年11月になって全役員や全従業員にハラスメントなどの行為をしない旨を誓わせる宣言書の提出や、2021年4月より360度評価を導入するという宣言も行い体制の改正を図っています。

360度評価とは

三菱電機が導入すると宣言している360度評価とは、これまでの人事評価とは全く異なる評価方法です。
従来であれば上司が部下の人事評価を行っていましたが、360度評価では上司だけではなく同僚や部下も評価対象者を評価します。
つまり、幅広い立場の人材の評価を集めることで、現場で評価対象者が発揮している能力の本質を知ることができます。

360度評価のメリット・デメリット

360度評価を取り入れることで、従来の評価とは異なり公正な評価を行うことができることが大きなメリットと言えるでしょう。
上司の部下に対する好き嫌いだけではなく、立場の違う複数の評価者から客観的かつ公正な評価を得ることができるのです。
しかも、どのように上司や部下、同僚から見られているのか知ることもできるため、自身の特性や今後の改善点に気付くことで人材育成にも繋がり、モチベーションを高められるでしょう。
しかし、360度評価では評価に慣れていなければ主観で評価してしまう可能性もあることがデメリットです。
また、評価で高評価を得るために部下への指導の手を緩めてしまう上司も出てきてしまうかもしれません。
こうしたメリットとデメリットを持ち合わせているものの、上手く導入できれば三菱電機は大きく企業として成長できることが期待されます。

360度評価の導入など社員が働きやすい労働環境を作ることは使用者の義務です。
そのため、現在の労働環境に問題や不安がある場合には、改善が必要である可能性があります。
しかし、一人の力では改善が難しいため、弁護士や労働組合のサポートを受けることをおすすめします。
そうすれば、自分だけではなく働く人みんなが働きやすい労働環境を作ることができ、よりよい職場になるでしょう。