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従業員「コロナで解雇」に対して会社は「無断欠勤で解雇」双方の言い分

2021.03.08

新型コロナウイルスの感染拡大で働き方や就業条件に大きな影響が出ています。
ある従業員がコロナ感染の可能性が理由で解雇されたと会社を提訴したことが話題になっていますが、会社側は無断欠勤が理由で解雇したと双方の言い分が異なっています。
このケースの場合、どのような対処が適切なのでしょうか?

コロナ感染が理由で解雇は「解雇権の濫用」

ある会社の元従業員が、コロナ感染が理由で解雇されたと会社を提訴したことがニュースになりました。
その従業員は、感染は分からないもののコロナの症状があるため会社を休んで療養し、後日検査結果では陰性であることが分かりました。
しかし、会社にそのまま解雇されてしまったと主張しているのです。
もし、この従業員の主張が事実であれば「解雇権の濫用」にあたり、不当解雇になります。

会社側の主張は「無断欠勤」

従業員はコロナで解雇を主張していますが、一方で会社側は解雇理由を無断欠勤であると主張しています。
コロナ感染の可能性を聞いた会社側は自宅療養を求め、その後従業員からは検査結果やなどに関する報告はなく長期に渡って欠勤したというのです。
そのため、無断欠勤であると判断して解雇に至ったというのが会社側の主張です。
もし、この主張が事実のであれば、判例より2週間無断欠勤していれば解雇は認められる目安になります。

無断欠勤で解雇するには正しい手続きが必要

今回のケースでは、もし無断欠勤の解雇が事実であれば、会社が正しく手続きを踏んでいれば問題は大きくなっていなかったかもしれません。
無断欠勤で従業員を解雇するには、2週間以上の無断欠勤や無断欠勤の証拠があること、無断欠勤の理由が会社にないことなどの条件を満たし、従業員に解雇するという通知をしなくてはなりません。
正しい手続きが行われていなければ、不当解雇になってしまいます。
不当解雇だと従業員に訴えられないようにするには、解雇手順をしっかりと踏むようにしましょう。

解雇の理由で従業員側と会社側が対立してしまうケースは珍しくありません。
どちらの言い分が正しいのかだけではなく、正しい解雇手続きが行われているのかという点も重要です。
解雇理由や解雇の手続きに疑問がある場合には、専門家である弁護士に相談しみてましょう。