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「8年で自殺者5名」の異常現場ではどう改革をするのか?

2021.03.16

大手企業である三菱電機というと、ブラック企業大賞を2年連続受けるという不名誉な実績があることでも知られています。
実際に8年間で自殺者5名を出しており、労働環境に問題があることは明らかと言えるでしょう。
こうした異常現場の改革を杉山社長が誓ったことが話題になっていますが、現在の問題点と今後の改革について詳しく解説してきます。

三菱電機の異常な労働現場

三菱電機は2012年以降の8年間で自殺者5名と労災認定者6名を出しています。
企業規模が大きいとはいえ、この数字は労働現場の異常性を表していると言えます。
自殺や労災認定が相次ぐ背景には、残業や上司のパワハラの蔓延があります。
月100時間を超える残業による過労と、度を越した上司の指導が日常的に行われ、心も身体も壊れてしまう社員が何人もいたそうです。
現在は働き方改革により勤務時間の管理が徹底されているそうですが、パワハラが全て払しょくされたとは言い切れないでしょう。

会社の対応に問題あり

残業やパワハラだけが問題というわけではありません。
三菱電機では社内ネットワークが外部からのサイバー攻撃を受けた問題がありましたが、その際に流出した情報はないという発表をした後、防衛に関する重要な情報が流出した可能性を発表しています。
そして、同日に製品の不備や顧客への対応の遅さなども判明したのです。
この事件により、三菱電機では不祥事への対応の遅さや不正の隠ぺいが明るみになりました。
こうした会社の対応は労働問題と無関係とは言えないはずです。

今後の体質改善を誓った社長

三菱電機の杉山社長は、これまでの施策が決して間違っていたものではないものの、駒から対応が不足していたことを認めています。
そして、全ての従業員が生き生きと働ける職場環境の実現を誓ったのです。
情報を隠蔽してしまう企業体質に問題があることは明らかであり、会社の体質が変わらなければ労働環境を改善していくことも難しいと言えるでしょう。
今後、三菱電機がどのような対策を打ち、体質改善を行っていくのか期待していきたいものです。

今回は三菱電機の労働環境の問題点について紹介してきましたが、三菱電機だけではなく多くの企業でも似たような労働問題は起こっています。
労働環境やハラスメント行為など労働問題があると感じた場合には、一人で抱え込まずに弁護士に相談してみてください。