過去掲載記事

初めての部下を持った人が注意をすべきパワハラ、セクハラの線引き

2021.03.23

4月になると新入社員が入社するため、初めて部下を持つという方も増えるでしょう。
「部下に仕事をしっかりと教えたい」「仕事に慣れない部下の緊張をほぐしたい」と考えて張り切るものです。
しかし、部下のことを考えた行為がセクハラやパワハラだと捉えられてしまうようなケースも少なくありません。
そこで今回は、パワハラやセクハラだと捉えられないためにもハラスメントの線引きについて紹介していきます。

セクハラやパワハラの明確な基準はない

職場でのパワハラやセクハラといったハラスメント問題は増加傾向にあります。
ハラスメントだと思われないように行動しようと考えていても、どこからがハラスメント行為になるのか判断基準が難しいと考える方は多いでしょう。
2019年にはハラスメント規制法が成立し、ハラスメントを予防するための措置を企業ごとに行うことが義務付けられています。
大企業では2020年から施行されており、中小企業では2022年4月から施行されます。
しかし、こうしたハラスメント行為は明確な基準がなく、相手が不快に思えばハラスメントだと言われてしまう可能性があるので注意が必要です。

パワハラの線引き

職務上の地位などの優位性を利用して、権力や立場を利用して嫌がらせをすることをパワハラと言います。
厚生労働省によりパワハラの具体例などを含めた基準が発表されており、大きくカテゴリーを分けると「身体的な攻撃」「精神的な攻撃」「人間関係からの切り離し」「過大な要求」「過少な要求」「個の侵害」が挙げられています。
威圧的な叱咤を繰り返すことだけではなく、過酷な労働を命ずることや、嫌がらせとして簡単な仕事しか与えないことなどもパワハラであると判断されます。

セクハラの線引き

パワハラと同様にセクハラも非常に線引きが難しく、相手が不快に感じればセクハラであると判断されます。
スキンシップと称して身体に触れてくるような明らかな行為だけではなく、顔などの見た目について言及することや、プライベートな質問を必要以上にするだけでもセクハラになる可能性があります。
また、飲み会などの席で異性の社員に対してお酌やカラオケのデュエットなどを強要することもセクハラになってしまいます。
言った本人は冗談のつもりであっても、上司なので逆らえないという立場になってしまえばセクハラだと捉えられてしまうことも多くなっています。

ハラスメントの線引きは難しいですが、「相手がどのように不快に感じるかどうか」が基準点になると言えます。
新入社員に対しての指導に力が入りすぎてパワハラになってしまうことや、新入社員と距離を縮めようとしてセクハラになってしまうことを避けるためにも十分に注意して接することが大切です。
十分に注意していてもハラスメントだと訴えられてしまった場合には、専門家である弁護士に相談するようにしましょう。