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オーストラリアではセクハラが正当な解雇理由へ法改正

2021.04.27

ニュースなどでもよく耳にするセクハラは、労働問題でもよく取り上げられる問題です。
オーストラリアでは2021年6月までにセクハラ行為を正当な解雇事由にするという法改正が行われる予定になっており、世界的にもセクハラは注目されています。
一方で、日本ではセクハラ社員を解雇することは可能なのでしょうか?
そこで、オーストラリアの法改正と日本のセクハラに関する対処について解説していきます。

オートラリアでセクハラは解雇事由になる

オーストラリアでは2021年6月までにセクハラ行為を正当な解雇事由へ法制化を目指しています。
この法改正により、もし職場でセクハラが起こった場合には加害者の従業員を雇用主が解雇できることになります。
オーストラリアではセクハラは重大な違法行為とされ、従業員の職場での安全を奪うものであると考えられています。
法制化されることで曖昧であったセクハラの線引きや対処が明確になることが期待されます。

日本でセクハラがあった場合社員を解雇できるのか?

一方で、日本ではセクハラに関しては男女雇用機会均等法においてセクハラ防止措置が義務付けられているもののセクハラに関する明確な法律はありません。
そのため、セクハラが職場で起こったとしても加害者の社員を解雇することは難しく、処罰としては懲戒処分が限界であると言えます。
ただし、就業規則にセクハラを懲戒解雇事由に加えられている場合には懲戒解雇処分になる可能性があります。
ただし、セクハラの程度によって処分は異なると考えられるでしょう。

どこからがセクハラだと言えるのか?

セクハラとは厚生労働省の定義によると、対価型と環境型の2種類があります。
対価型とは、労働者の意に反する性的な言動を拒否すると降格や解雇など不利益を受けることを指します。
例えば、性的関係を迫られて拒否したら解雇された場合や、セクハラを拒否したら降格させられた場合などが対価型セクハラになります。
一方で環境型は、性的な言動で職場環境が不快なものとなり、労働能力の発揮に悪影響が生じることを指します。
上司にセクハラされて労働意欲が低下した場合などが環境型セクハラに該当します。
セクハラはボディタッチだけではなく発言も含まれており、業務上不要な性的発言はセクハラになります。

日本ではセクハラをした社員を解雇することは難しいですが、訴えを起こして慰謝料請求することが可能です。
セクハラ被害を受けて困っているような場合には、まず会社に相談してみましょう。
会社への相談が難しいような場合や、相談してみたものの解決できないような場合には弁護士にご相談ください。