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「なか卯」で不当解雇と提訴、会社側は正当と主張

2021.05.17

大手飲食チェーン店である「なか卯」では、男性社員が不当解雇されたとして訴えを起こしていることが先月分かりました。
なか卯側は男性の解雇を正当であることを主張しており、両者の意見には相違がある状態です。
なか卯の不当解雇と提訴問題について見ていきながら、不当解雇の正当性について考えていきましょう。

なか卯で不当解雇?!

なか卯で契約社員の男性が不当解雇されたとして訴えを起こしています。
男性は深夜帯の勤務でしたが、日中の時間帯からの仕込みが不十分なことが多く、サービス残業をたびたび強いられていたそうです。
そのため、男性は従業員の控室に改善を求める内容を書いた紙を貼りだしたところ、上司から出勤停止を命じられました。
そして、最終的には解雇に関する合意書への押印を求められたり、退職届の提出を求められたりしたと男性は主張しています。

なか卯側の主張は「正当な解雇」

男性は不当な解雇であることを主張していますが、一方でなか卯側は男性の解雇は正当であったという主張をしています。
男性が自身の主張を訴える張り紙を控室に貼り出すことは、職場の秩序を乱す行為であるとして出勤停止をしたというのです。
その他にも、他の従業員に会社の不満を伝えて不安をあおる行動を取ったり、改善指導にも従わなかったりしたことが解雇理由であるとしています。

問題行動があった場合には処分を検討することになる

もしなか卯側の主張が本当であれば、改善指導をしていても労働や態度の改善が見られないような場合には会社側は何らかの処分を検討することになります。
そして、その処分内容は会社毎に異なりますが、改善指導をしているのであれば解雇も正当であることが認められます。
しかし、もし改善指導は行われていないにも関わらず解雇されていたのであれば、不当解雇になる可能性があります。
今回のケースであれば改善指導が行われていたのか否かが論点になってくるため、会社側はトラブルを予防するために予め社員の問題行動を立証できるように書類を作成しておくことが必要であると言えます。
そのため、改善指導を行うのであればどのような問題行動があり、どのような改善指導を行うのか書類を作成して該当社員にも渡すべきです。

会社側が解雇通知をした場合、会社側と従業員側の主張に違いが生じて不当解雇を訴えるというようなケースも少なくありません。
不当解雇を主張するのであれば、まずは不当解雇であるのかどうかを確認する必要があります。
解雇理由に疑問がある場合や、会社の解雇理由が事実と異なるというような場合には、まずは弁護士に相談してみましょう。