過去掲載記事

世界の解雇規制の強さランキング

2021.05.25

国によって労働環境や賃金、解雇規制などは異なります。
日本では働き方改革が推進されるなどしていますが、長時間労働が当然になってしまっている国もあります。
また、世界では日本人は働きすぎだと言われるように、他国と休日数は変わらないものの日本の有給取得率が低い傾向にあります。
それでは、世界的に見て日本の解雇規制はどのようになっているのでしょうか?
世界の解雇規制の強さランキングと照らし合わせながら見ていきましょう。

世界の解雇規制の強さランキング25位の日本

グローバルノートの統計によると、世界主要国の解雇規制の強さ(正規雇用)のランキングで日本は25位という結果になっています。
1位はチェコ、2位がトルコ、3位はオランダです。
アメリカは34位となっており、日本よりも解雇しやすい労働契約であることが分かります。
アジアでは韓国が17位と日本よりもさらに解雇規制が強くなっています。

日本は国際的に見れば解雇しやすい?

日本人は低賃金で長時間労働をする勤勉なイメージが国際的には強く、解雇は比較的に難しいと言われています。
使用者が労働者に対して一方的に解雇するためには、労働基準法の解雇禁止事項に該当しないだけではなく、解雇に正当な理由や手順、就業規則に沿っていなければなりません。
そのため、使用者は簡単に労働者を解雇することは出来ないと言えます。
しかし、実際に世界の解雇規制の強さランキングを見ると日本よりも解雇規制が強い国は多く、日本は国際的に解雇しやすい環境であることが分かります。

アメリカは解雇しやすいが成果への恩恵が高い

日本やヨーロッパの国では、従業員の解雇には解雇への「正当な理由」が必要になります。
一方で、アメリカの場合はアットウィル雇用と呼ばれる方法を取り入れる企業が多く、解雇しやすくなっています。
アットウィル雇用とは直訳すると「任意に基づく雇用」で、使用者はいつでも理由なしに従業員を解雇することができ、従業員も理由なしにいつでも仕事を辞めることができるのです。
しかし、日本と違ってアメリカは解雇しやすい代わりに、仕事の成果に対しての恩恵も非常に高いためトレードであると考えられます。
もし世界的に日本が解雇しやすい環境と呼べるのであれば、それだけの「対価」が必要なのではないでしょうか。

日本は解雇規制が厳しいと思われがちですが、世界的に見ると決して解雇が難しいと言える労働環境ではありません。
ただし、日本では解雇するには正当な理由や解雇するための条件が揃っていなければ不当解雇として訴えることができます。
もし解雇理由に疑問や問題があると感じた場合には、弁護士に相談してみることをおすすめします。