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新任取締役で会社の目指すべき姿が見える! 労働問題を起こした会社どうか?

2021.10.29

会社が不祥事を起こした際に記者会見で、「再発防止を徹底するために組織を編成を・・・」といった言葉を良く聞くことがあると思います。
不祥事は起こさないことに越したことはありませんが、起こってしまった際に会社として、どのような対応をすることがとても重要と言われています。その一つとして組織再編、取締役の改編などがあります。
そもそも取締役とは
みずほ銀行がシステムトラブル発生時は人材の強化、組織的連携、監視システムの見直しなどを発表をするなど再発防止策を発表しています。
労働問題であれば人事制度やコンプライアンスなどに関わってくるので、これらの専門家や担当が取締役になり、組織再編をすることが定石と言われています。

取締役とは会社法で「取締役は、定款に別段の定めがある場合を除き、株式会社(取締役会設置会社を除く。)の業務を執行する」と定義されています。端的に言えば会社運営の意思決定と監督をする人です。
またその責任は重く、重要なポジションです。

スポーツでもそのメンバーを見ると「攻撃型」「守備型」など監督が目指す姿が分かると思います。
経営をするチームである取締役のメンバー構成をみれば、会社がどういった方向に持っていきたいのか意思を読み取ることが出来ます。

なおさら、不祥事が起こった組織などはその「不具合」を是正するための社内外へのメッセージとなります。

アイドママーケティングのケース
不当解雇であるとの訴えに敗訴し多額の賠償金を支払っているアイドママーケティングコミュニケーションを解説します。
2021年5月にIRで新人取締役候補として3名が新たな取締役として選任されております。

・証券会社出身で経営全般を担当
・システム部長の内部昇格
・経営企画室長の内部昇格

それ以外の取締役は創業者の蛯谷貴社長を中心に、実務担当、経理管理担当。
社外取締役として、公認会計士、経営経験者となっております。

アイドママーケティングにとって、既報の通り現在良い環境ではなく、そこから脱するために業績を良くしたいといった意思が伺えます。
その一方で、「不当解雇」と判決をされるなどありましたが、労働問題やコンプライアンスなどの面で会社全体で改善をしようとは考えておられないのでしょうか。成長戦略の弊害として労働問題が起こることが比較的多いですので、そうならないように祈るばかりです。
三菱電機のケース
「8年で自殺者5名」と報道をされ、ブラック企業大賞を2年連続で受けるという不名誉な実績も持つ三菱電機。
特に三菱電機は労働問題だけではなく、偽装問題など多くの課題を抱えておりますが、今回は労働問題を主軸に解説をします。
社員の自殺者が多いという報道をされた後に行われた、2020年6月の株主総会では2名の取締役が新任をされました。

・資材担当の役員
・経営規格の役員

独立役員の社外取締役5名はそのまま再任されています。国際情勢の専門家、検事出身の弁護士、公認会計士、国際的企業経営者、銀行元頭取となっております。法律の専門家はおりますが、新任役員の顔ぶれを見る限り社内環境整備に関して対策は取れれるのかいささか不安があります。
その後、三菱電機の不祥事が続き。2021年6月の株主総会では総務・人事担当が新任役員に選任されました。

ようやくここで人事担当が会社の運営に携わることになり、会社としてもこれらの不祥事を変えていこうという意思を感じます。

自分たちの会社がどういった方向に持っていきたいのか、取締役のメンバーを見ることが重要です。また自社で問題が起こった際に、会社が行った対策とし取締役の選任に触れたかどうかでその本気度を推し量っても良いでしょう。そこには会社が発するメッセージがあります。